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ObsidianとNotionを比較したら全く異なるツールだった

Notionが依然として高い人気を誇りながらも、Obsidianユーザーも増えてきているように感じます。どちらも優れたツールではありますが、比較すると似ているようで全く異なるツールだということが改めて分かりました。それぞれ項目ごとに比較結果を紹介していきたいと思います。

ObsidianとNotionの比較

今回、下記の項目ごとにObsidianとNotionの比較を行いました。少し長くなりますが、それぞれ紹介していきたいと思います。

  • 費用
  • チームでの利用
  • ノートの共有
  • ファイルの保存場所
  • オフラインでの利用
  • ブラウザからの閲覧
  • データベース機能
  • 処理速度
  • API提供
  • Web Clipping(PCから)
  • Web Clipping(iPhoneから)
  • エディタの種類
  • エディタの拡張性
  • タスク管理

費用

Obsidianは基本無料で、Sync機能を利用する場合は月4ドル。Notionも基本無料で、チームで利用する場合は有料プランの利用が必要。

Obsidianはそもそも複数人での利用はあまり想定されていませんが、個人で利用する分には基本的に無料で利用することが可能です。ただし、複数デバイスで同期したい場合に有料のObsidian Syncの利用が必要になる場合があります。

Notionも個人で利用する分には無料プランで十分すぎる機能を利用することができますが、チームで利用する場合には有料プランの登録が必要になります。

どちらもコスト的には無料で利用することができますが、一部機能に制限がかかっているためがっつり使い込みたい場合はプランをチェックするようにしましょう。

Notionの費用については下記で詳しく解説しています。

チームでの利用

Obsidianは個人利用向けのツールで、Notionは複数人での利用にも対応

Obsidianは個人利用向けのツールなので、複数人で共同編集するような機能は提供されていません。

一方、Notionは複数人での利用にもかなり注力して作られていて、チーム内でのドキュメント管理や情報共有にもかなり柔軟に対応することが可能です。

チームで利用したい場合、実質的にNotion一択となるでしょう。

ノートの共有

Obsidianは共有機能無し。NotionはURLで共有可能。

Obsidianはローカル上にファイルが保存されているので、ノートを共有するような機能は提供されていません。mdファイル自体を渡せば閲覧することは可能です。

Notionは共有機能も充実していて、共有用のURLを発行したり、さらにはWebページとして一般公開するような機能も提供されています。情報共有を目的として利用する場合は、Notionがおすすめです。

ファイルの保存場所

Obsidianはローカルに保存。Notionはクラウドに保存。

Obsidianで作成した情報はローカル上に保存されます。複数デバイスで利用したい場合は、Github連携、iCloud連携、Obsidian Syncの利用などいくつかの方法で可能です。

Notionはデータがすべてクラウド上で管理されています。すべてクラウド上に保存されているため、ログインさえ行えばPC、スマホ問わずすべてのデータが閲覧可能です。

オフラインでの利用

Obsidianはオフラインでも利用可能。Notionはオフラインでの利用は不可。

Obsidianはローカル上にファイルが保存されているため、オフラインでの利用が可能です。(もちろん同期はオンライン状態にする必要あり)

Notionはクラウドサービスなので、オフラインからは利用できません。

ブラウザからの閲覧

Obsidianはアプリが必要。Notionはブラウザ上からも利用可能。

Obsidianはアプリをインストールしなければ基本的に使用することはできません。ただしローカルファイルとして保存されていれば一般的なテキストエディタから内容を確認したり編集したりすることは可能です。普段利用するPCやスマホにObsidianをインストールしておけば基本問題無いと思いますが、注意しておきましょう。

Notionはブラウザ上からでもログインすればアプリと同様に利用可能です。

データベース機能

Obsidianはあくまでmdファイルでの管理。Notionはデータベース形式にも対応。

Obsidianはmdファイル上に情報を記述していく形なので、データベースのような機能は提供されていません。ただし、Dataviewというプラグインを利用すればmdファイルをデータベースのように管理することは可能です。

Notionは標準機能としてデータベース機能が提供されていて、フィルタやソート、ビューの切り替えなどかなり柔軟に対応することが可能です。

処理速度

Obsidianは比較的高速。Notionはデータ数が増えると処理が重くなる場合あり。

Obsidianはmdファイルの集まりで作られており、ローカル上にデータが保存されているということもあり比較的処理速度は速めで、動作が重くなるようなことはほとんどありません。

Notionはページを開くごとにクラウドからデータを取得するため、データ数が増えてくるとそれだけ読み込み速度が重くなり、ページ表示時の処理速度などに時間がかかる場合があります。

API提供

ObsidianはAPIの提供なし。NotionはAPIを利用可能。

Notionはクラウドサーバー上にデータが保存されているため、APIを通してデータベースの値を取得したり、API経由で情報を書き込むことが可能です。

Obsidianはローカルでファイルを保存し、複数デバイス間でそのデータを同期するという仕組みということもあり、APIとして公開されているようなものはありません。

例えば、下記のようにMakeなどの自動化ツールを利用する場合、NotionはAPIを連携するだけで利用できるのでかなり簡単に実現できますが、Obsidianはテクニカルなことをしないとデータ連携などは難しいでしょう。

Web Clipping(PCから)

Obsidianはブラウザの拡張機能でWebページのクリップが可能。Notionもブラウザの拡張機能からWebページのクリップが可能。

Obsidianは「Obsidian Web Clipper」というブラウザ拡張機能が提供されていて、これを利用することでWebページをワンクリックでObsidian上に保存する事が可能です。ただし、保存する端末にObsidianがインストールされている必要がある点には注意しましょう。

Notionも「Notion Web Clipper」というブラウザ拡張機能が提供されていて、ワンクリックでNotion上に保存することが可能です。

Web Clipping(iPhoneから)

ObsidianはSafariの拡張機能からクリップが可能。Notionはアプリ問わず共有ボタンからクリップが可能。

Obsidianはいわゆるブックマークアプリのように、共有ボタンからObsidianを選択してURLをブックマークするような機能は提供されていません。その代わりに、Obsidian Web ClipperというSafariの拡張機能アプリが提供されていて、Safariから保存することは可能です。

エディタの種類

ObsidianはMarkdownで記述。NotionはリッチテキストだがMarkdownのような書き方も一部対応。

ObsidianはMarkdownエディタなので、基本的にすべてMarkdown記法での記述になります。

Notionはリッチテキスト形式ですが、見出しや箇条書き、太字などMarkdown記法で記述すればその通りに表示することが可能です。

どちらもメリット・デメリットがありますが、Markdown記法に慣れていない人はNotionの方が使いやすいかもしれません。ただし、一般的なMarkdown記法は覚えておくとNotionもさらに便利になるので使ってみることをおすすめします。

エディタの拡張性

Obsidianはエディタのカスタマイズ性が高い。Notionは標準機能の範囲内でスタイルの調整が可能。

Obsidianは、多数のプラグインを使ってエディタをカスタマイズしたり機能を追加できる他、CSSを記述して細かく見た目を調整することが可能です。

一方Notionはエディタを細かくカスタマイズする機能は無く、ブロックごとのスタイルを工夫することで見た目を整えることが可能です。

タスク管理

Obsidianは簡易的にタスク管理が使える。Notionはかなり高機能なタスク管理、プロジェクト管理が利用可能。

Obsidianはそもそも情報管理ツールとして作られたサービスなので、おそらくタスク管理を目的とした利用はあまり想定していないと思いますが、プラグインを利用することで簡易的なタスク管理は可能です。

Notionはタスク管理を目的とした利用もメイン機能の1つなので、データベースや締切、担当者など一般的なタスク管理ツールと同様の機能が提供されていて、かなり使いやすいです。

比較結果

それぞれの特徴を簡単にまとめると下記のとおりです。

Obsidianの特徴

  • グラフビューでノートごとの関連性を可視化できる
  • ローカル上で動作する(Cursorからvaultを開くことも可能)
  • エディタのカスタマイズ性が高い

Obsidianは、利用シーンがあくまで個人の情報管理ツールとして限定されているツールでした。ただし、グラフビューによる相互関係の可視化や、ローカル上のファイルをMCPなどを使ってLLMに情報を与えることができるため、AIツールの普及によってニーズが高まってくる可能性があります。

Notionの特徴

  • チームでの利用が可能
  • 強力なデータベース機能が利用可能
  • APIが提供されている
  • 様々なビューを使って多様な目的で利用可能

Notionは個人・チーム問わず様々な情報やドキュメントを管理することができるオールインワンツールです。単に情報管理だけでなく、タスク管理やプロジェクト管理、使い方によっては問い合わせ管理や顧客管理など、幅広い利用用途で活用することが可能です。

またAPIが提供されている点も大きな魅力の1つで、MakeやDifyなどの自動化ツールやアプリケーションプラットフォームからAPIを利用することで他ツールとの連携も容易に行うことができます。

まとめ

ここまで様々な観点からObsidianとNotionを比較してみましたが、似ているようでかなり異なるツールだということが改めて分かりました。

私自身、これまで情報管理やタスク管理Notionを利用していてObsidianへの乗り換えを検討していましたが、下記の点から改めて比較した結果これまで通りNotionを利用することになりそうです。

  • iPhoneからのWeb Clippingの使いやすさ
  • 強力なデータベース機能
  • APIが利用できる

今後、Obsidianがアップデートされて上記のような機能が利用できるようになったり、Notionには無い機能が提供されるようなことがあればまた検討したいと思います。